木曾山林資料館

                   

[この題字は演習林管理棟の入口に掲げてある館銘板の文字から起こしたものである。木曽町開田高原在住の椙本清美氏の揮毫による。]

木曾山林資料館2014.5.24OPEN

TEL.0264-22-2007 

〒397-8567 長野県木曽郡木曽町新開4236 木曽青峰高校新開キャンパス内

展示物の紹介(その7)帝室林野局技師による講義

展示物の紹介(その7)帝室林野局技師による講義

 相変わらず木曽でも猛暑が続いています。平年なら夏の期間に資料館の室内で30度をこえることは滅多にないのですが、今年は毎週の開館日に32度くらいになります。

 暑さに負けず、きょうもブログをお届けします。「帝室林野局技師による林業講義」です。
 帝室林野局というのは、明治22年から昭和23年まで木曽をはじめ北海道など東日本を中心に分布していた御料林(皇室所有の林野)を管理していた役所で、木曽には明治36年に支庁(後に支局)の設置が決まり、木曽山林学校からも成績優秀な学生が毎年のように採用されました。学生にとってはあこがれの職場だったと言えます。

 帝室林野局技師による木曾山林学校での講義が本格化したのは、昭和9年(1931)からで、3年生が卒業する直前の2月に、実際の林業の現場で役立つような実践的な講義が行われ、講義録も印刷され、OBにも配布されました。
 講義の内容を一部紹介しますと、まず岩田利治技師による「森林樹木の識別法」が昭和9年から13年まで毎年続けられ、2月以外の季節にも御料林の森に入って実地に教えていただくこともありました。
 また、渡邉平治技師からは毎年、三角測量を中心にした測量の講義があり、昭和15年には連続5日間にわたって測量実習が行われました。講義をもとに『御料地測量の実際』というテキストが作成された程です。
 講師の方々は多彩で、それぞれの専門についての実践的な講義で、山林学校卒業生で御料林に勤務していた長谷川義雄・樋口徳一・森田孝太郎・遠山重明らのOBも母校の教壇に立ちました。

 これらの様子は、「御料林と木曾山林学校」というタイトルで展示されているほか、講義の要項は書庫で手に取って見られます。

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