木曾山林資料館

                   

[この題字は演習林管理棟の入口に掲げてある館銘板の文字から起こしたものである。木曽町開田高原在住の椙本清美氏の揮毫による。]

木曾山林資料館2014.5.24OPEN

TEL.0264-22-2007 

〒397-8567 長野県木曽郡木曽町新開4236 木曽青峰高校新開キャンパス内

資料館にうれしいお客様が来館されました。そのときの様子をご紹介します。

資料館にうれしいお客様が来館されました。そのときの様子をご紹介します。

 去る8月23日、当館に筑波大学生命環境系の助教をされている[新保奈穂美]さんがお見えになりました。来館の目的は当館に明治・大正期のドイツ林学の図書があることを知って、それを見たいということでした。これまで当館を訪れた方の中で、特定の所蔵品に関心を持ってはるばる来ていただいたというのは大変珍しいことです。林業教育資料に特化したした資料館ですので、このような明確な目的を持っての来館は大変うれしいことです。  ところで、当館にドイツ林学の原書が存在する理由(わけ)は、1901年(明治34年)の開校当時には、まだ実業学校向けの林学の教科書がなかったものですから、先生方はご自分が大学で使っていたドイツ林学書を教室に持ち込み、それを参考にしながら黒板にどんどん書いていき、生徒は必死でそれをノートに写したという状況でした。  その後、先生方が置いていった本や、山林学校の図書室に注文して丸善から取り寄せた本等もあわせて28冊のドイツ林学書が残されていたのです。そのドイツ林学書のリストを新保助教に差し上げることができました。新保助教の研究テーマの一つが「ドイツが日本の造園学や林学に与えた影響」ということだそうで、明治時代にお雇い外国人講師として日本に滞在されたドイツ人学者の足跡を調べられているのです。  ドイツ林学書とは別に、明治36年6月に木曾山林学校の生徒が修学旅行で浅間山麓の国有林の見学に訪れた際に、帝國大学農科大学の本多静六博士のご指導を受けたのですが、そのとき本多博士といっしょに現場におられたドイツ人のヘーヘレ農科大学教授が、山林学校生徒に、火山灰地のカラマツについての話をし、それを山林局の白澤保美技師が通訳をしたというエピソードが当時の『校友會報』(生徒の作っていた雑誌)に残されていることもあわせてご紹介し、林業教育専門の資料館としての面目を施した次第です。    

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