きょうは、10月8日、漢数字では十月八日と書きますから、漢字の組み合わせから「木の日」だそうです。
そう言われて、木の標本をたくさん持っている当館としては、何か珍しい木を紹介しないわけにはいきません。
そこで、小笠原諸島の固有種であるマルハチ(ヘゴ科:写真左)とタコノキ(タコノキ科:写真右)を選んでみました。この2種類の木は、昭和8年(1933)に木曾山林学校開校30周年記念の「林業展覧会」に出品されたものです。
出品者は当時、東京営林局小笠原営林署に勤務していたOBの柳澤止之進さん(第12回・大正4年3月卒業)です。蘇門会(木曾山林学校同窓会)の呼びかけに応じて寄贈してくれたものです。
写真を撮るために持ち上げてみたら、マルハチは11㎏、タコノキは7㎏とかなりの重量です。小笠原から船便で送ってくれたのでしょうが、貴重な標本を寄贈していただいたことに感謝です。このようなOBの方々のご協力のおかげで、この資料館の展示資料が成り立っているのです。
断面(左マルハチ、右タコノキ)
マルハチ(ヘゴ科)
小笠原の湿った森の中に群生している木本性のシダです。
根元の直径は30cmあります。樹高は10mくらいになるそうですが、写真のものは展示用に1mの長さです。葉柄が落ちた跡に漢字の八のような模様が出るのでマルハチという名前がつけられたのです。
観葉植物として鉢植えにして室内装飾として人気があります。
タコノキ(タコノキ科)
海岸に近いところに生育し、気根がびっしりとつきます。南西諸島や九州南部にみられるアダンの仲間ですが、タコノキは小笠原諸島の固有種です。高さは10mくらいになります。
観葉植物として楽しまれますが、葉は乾燥させて裂いて、織物や編み物の材料に使われるようです。