新型コロナウィルスの騒ぎは一段落ということで、当館の日常も普段どおりに淡々と過ぎています。
きょうは、ホームページでご紹介していない展示物の中からピックアップしてご紹介したいと思います。ネタは無尽蔵とはいいませんが、いくらでもありますので、珍しいものを探して紹介していきます。収蔵物の紹介は我々スタッフの重要な仕事でもあります。
今回はその第1回目ということです。
測量器具の中から古いものを選んでみました。明治時代の「コンパス」と「測鎖」です。
コンパスは2点間を結ぶ測線の方位角(北から右回りに何度あるかという数値)を測定する器械です。何が古いかといいますと、写真ではよくわからないかと思いますが、目盛盤に360度の目盛りとともに、「子・丑・寅・・・」と十二支が30度きざみで刻まれていることです。伊能忠敬の記念館にあるコンパスと同じようなモノです。伊能忠敬はこれを杖の頭に取り付けて、器械を水平に保った状態で、相手地点を視準し、瞬時に目盛りを読み取ったのです。
もうひとつは、2点間の距離を測るための道具です。一般的には巻尺が使われますが、この写真のものは「測鎖」と呼ばれています。名前の通り鎖です。鉄でできています。1鎖の長さは6寸で、全長は5間です。1間ごとに爪がついていて、爪の突起の数で何間かがわかります。また、1間の中間(3尺)には小さい丸い輪がついています。
鉄製ですから重いのですが、水には強いので、この測鎖を谷沿いに流れの中を引っ張っていっても大丈夫です。
是非、来館の折には、手に取ってじっくり見ていただければと思います。
(きょうのブログは6月25日に発信したものですが、記述に間違いがありましたので、28日に修正しました)