今日の木曽はツユの中休みで、爽やかな青空が見られます。昨日(7月1日)は、御嶽山の開山式が雨の中で、コロナ対策もあって関係者のみで行われました。
きょうのブログは先週に引き続いて「展示物の紹介(その2)」ということで、御嶽山の高山植物の標本(押し葉)をご紹介します。製作者は安藤時雄第三代木曾山林学校校長です。安藤先生は若干29歳で校長として赴任されました。植物に詳しく生徒に直接指導されることが多かったという話が残っています。
この標本は、大正2年(1913)8月3日に御嶽山の登山をし、64種の高山植物を採集し標本を作製しました。現在では採集は禁じられていますから貴重な標本ということになります。写真でお見せしたのは、「オンタデ」というタデ科の植物で、高山帯のがけ地や砂礫地に多く見られます。和名は御嶽山に多いことから名づけられたものです。
この標本は年代的にみても貴重ですから、通常は展示していないで収蔵庫で保管しています。もし、高山植物とりわけ御嶽山の植物に興味のある方が、大正時代の初めの頃の植物を知りたいというようなご希望があれば、ご連絡をいただければ閲覧をすることは可能です。それも資料館のひとつの役割かなと思っています。