木曾山林資料館

                   

[この題字は演習林管理棟の入口に掲げてある館銘板の文字から起こしたものである。木曽町開田高原在住の椙本清美氏の揮毫による。]

木曾山林資料館2014.5.24OPEN

TEL.0264-22-2007 

〒397-8567 長野県木曽郡木曽町新開4236 木曽青峰高校新開キャンパス内

ニュース

2019年資料館の再開について

4月4日より開館します。 展示室内に暖房設備が無いことから、温かい服装でお越しください。

木曽式伐木運材図絵の世界(展示・講演)開催のお知らせ

御料館林業遺産認定記念として木曽町教育委員会・木曽町4地域公民館主催の「木曽式伐木運材図絵の世界」展示と講演が御料館(木曽町)で開催されます。

展示 平成30年12月15・16日(土・日)午前10時~午後4時

   木曽式伐木運材図絵(中部森林管理局所蔵レプリカ)と関係する林業資料

講演 平成30年12月15日(土)午後1時30分~午後2時30分

   木曽式伐木運材図絵について 井上日呂登氏(林野庁中部森林管理局職員)

木曾山林資料館が所蔵する木曽式伐木運材模型、写真パネル等を展示する予定です。

冬期休館について

木曾山林資料館は、12月1日~3月末まで冬期休館します。

資料館にうれしいお客様が来館されました。そのときの様子をご紹介します。

 去る8月23日、当館に筑波大学生命環境系の助教をされている[新保奈穂美]さんがお見えになりました。来館の目的は当館に明治・大正期のドイツ林学の図書があることを知って、それを見たいということでした。これまで当館を訪れた方の中で、特定の所蔵品に関心を持ってはるばる来ていただいたというのは大変珍しいことです。林業教育資料に特化したした資料館ですので、このような明確な目的を持っての来館は大変うれしいことです。  ところで、当館にドイツ林学の原書が存在する理由(わけ)は、1901年(明治34年)の開校当時には、まだ実業学校向けの林学の教科書がなかったものですから、先生方はご自分が大学で使っていたドイツ林学書を教室に持ち込み、それを参考にしながら黒板にどんどん書いていき、生徒は必死でそれをノートに写したという状況でした。  その後、先生方が置いていった本や、山林学校の図書室に注文して丸善から取り寄せた本等もあわせて28冊のドイツ林学書が残されていたのです。そのドイツ林学書のリストを新保助教に差し上げることができました。新保助教の研究テーマの一つが「ドイツが日本の造園学や林学に与えた影響」ということだそうで、明治時代にお雇い外国人講師として日本に滞在されたドイツ人学者の足跡を調べられているのです。  ドイツ林学書とは別に、明治36年6月に木曾山林学校の生徒が修学旅行で浅間山麓の国有林の見学に訪れた際に、帝國大学農科大学の本多静六博士のご指導を受けたのですが、そのとき本多博士といっしょに現場におられたドイツ人のヘーヘレ農科大学教授が、山林学校生徒に、火山灰地のカラマツについての話をし、それを山林局の白澤保美技師が通訳をしたというエピソードが当時の『校友會報』(生徒の作っていた雑誌)に残されていることもあわせてご紹介し、林業教育専門の資料館としての面目を施した次第です。    

長らくご無沙汰していて申し訳ありませんでした。

2017年5月に、ホームページにトラブルが生じまして、その修復方法がわからず、新しいニュースをお伝えすることができませんでした。 ようやく何とか動かせるようになりましたので、少しずつ新しい書き込みや、その後の木曾山林資料館の動きをお知らせしたいと考えています。 ときどきホームページにアクセスして、何も変化がないことにがっかりしておられた方にお詫びするとともに、今後ともあきらめずにアクセスしていただけるようお願いします。近いうちに、この1年間に整理してきたデータを順次公開していきたいと思っています。

平成30年度(2018) 資料館を再開しました

 2018年4月、木曾山林資料館は5年目の公開を始めました。  今年も相変わらず毎週木曜日のみ一般公開をします。週1日という限定した開館で皆さまにはご迷惑をおかけしますが、よろしくご理解のほどお願いします。  なお、都合により木曜以外の日に木曽へ行くので、そのときに是非寄りたいというご希望の方につきましては、下記にご連絡してみてください。ご希望に添えるかどうか検討します。    *連絡先:090-1546-6100 山口 登  ところで、今年のオープンにつきましては、二つのトピックスがあります。 ◎第一のトピックスは、昨年6月に長野県で行われた「全国植樹祭」で、天皇皇后両陛下が記念植樹されたときの鍬(クワ)が、県のご配慮により木曽青峰高校で保管することとなり、当資料館の第一展示室に展示をしました。  実はこの鍬は青峰高校のインテリア科において先生・生徒らが、木曽ヒノキを材料にして心をこめて制作したものです。それが役目を終わって里帰りしたということです。 ◎第二のトピックスは、「中畑文庫」の公開です。  当資料館には、中部森林管理局はじめ各方面から寄贈された林業関係の図書が2,000冊ほどあります。そこに、今回新たに558冊の図書が加わることになりました。寄贈者は木曽山林高校OBの中畑孝史さん(第77回・昭和55年卒業)です。  中畑さんは卒業後、長野営林局に就職。その後長野営林局は中部森林管理局と変わりましたが、林業一筋に仕事に励み昨年3月末退職されました。その間、治山・林道を中心にいろいろな分野の仕事を担当し、熱心に勉強を重ね、気がついたら500冊を越える林業関係の図書で部屋がいっぱいになっていたのです。 それらの書籍をすべて当資料館に寄贈していただけることになり、他の図書とは別に「中畑文庫」と名づけてまとめて配架し、昨秋、自身でそれらを整理して分類し、このたび登録も済ませ、ラベルも貼って公開するところまで漕ぎつけた次第です。 これらの図書は、林業関係の参考図書として青峰高校森林環境科の生徒の学習に役立ててもらうとともに、一人の林業技術者が数十年にわたって辿った足跡を改めて見直すことができる貴重な資料であろうと考えています。  二つのトピックスは、今年度のスタートを飾るにふさわしい展示となりました。どうか、ご来館の上、じっくりとご覧いただきたく思います。

歴史の中のエピソードを更新しました

 久しぶりにニュースの更新です。先に4月9日付ニュースで、当館所蔵の『校友會報』等4点の資料が「信州地域史料アーカイブ」に登載されたことをお知らせしましたが、その4点の資料をお読みいただくときの参考にしていただくため、木曾山林学校の草創期の歴史についてまとめた『木曾山林学校草創期における校友会の活躍』を《歴史の中のエピソード》に掲載しましたので、ご覧いただければと思います。

《歴史の中のエピソード》追加した記事はこちら。

全国植樹祭で蘇門会が表彰されました

6月5日に長野市で行われた全国植樹祭において、[木曽山林高等学校同窓会 蘇門会]が「県みどりの功労者表彰」において、「緑の伝承部門」で受賞しました。 今回の受賞は、蘇門会が行ってきた木曾山林資料館に所蔵されている貴重な資料の保存・整理の活動と、それらの一般公開を進めてきた活動が評価された結果です。長野県が「みどりの伝承部門」というジャンルを設定されたことに対し、敬意を表したいと思います。 なお、同じく木曽町で活動している「城山史跡の森倶楽部」も、「みどりの活用部門」で受賞しました。

本資料館が所蔵している明治・大正期の資料の中から4点が、「信州地域史料アーカイブ」に登載され、インターネット上に公開されました。詳しくはこのニュースのタイトルをクリックしてください。

●信州地域史料アーカイブとは?

 これは、長野県図書館協会が中心になって立ち上げた「NPO法人・長野県図書館等協働機構」が取り組んでいる事業です。

 図書館の書庫や、旧家の蔵の奧にしまわれていて、一部の郷土史研究家や学者の目にふれるだけの貴重な資料(史料)を画像として見られるようにし、さらに多くの人に読んでもらうために、翻刻文を作成したり、解説をつけたり、ルビをふったりしたものを、インターネット上に公開している事業です。

 具体的には、史料を高精度に撮影して画像にし、文字データのデータベース化も含めて検索できるようにするシステム構築の仕事は、TRC-ADEAC(アデアック)(株)が支援し、活字データをOCRソフトで読み取ってデータ化するところは、NPO上田図書館倶楽部が担当、個々の古文書や文書の翻刻や解説文は、その史料に精通している専門家が全力を投じて作成しました。

●本資料館のどのような資料がインターネットで見られるのか。

 ◯木曾山林学校要覧  明治45年2月・木曾山林学校発行(p80) …… 木曾山林学校の設立された明治34年から明治末までの11年間の教育実践をもとに、この学校で繰り広げられた初めての林業教育の様子を詳細に紹介したものです。第2代の江畑猷之允校長が中心になって書いたモノで、全国から林業に関心のある生徒を集めるためのPR誌としての役割がありました。

 ◯木曾山林学校々友會報 第1号  明治35年10月・木曾山林学校々友會発行(p67)…… 校友会というのは、当時、生徒・職員・卒業生の三者で組織していた親睦・研修のための団体です。その校友会の大きな仕事が校友會報の発行でした。論文・来校者による講演や講話の記録・修学旅行を初めとする学校行事の報告・学則・文芸作品等、当時の教育や学校生活が生き生きと伝わる内容になっています。

 ◯岐蘇林友 第19号  明治44年5月・木曾山林学校々友會発行(p12)…… 『校友會報』という名称が『岐蘇林友』に替わった最初の号で、このときから毎月の発行となりました。号数はそのまま引き継がれました。

 ◯岐蘇林友 廿周年記念号(第144号)  大正10年10月・木曾山林学校々友會発行(p74)…… 山林学校の創立20周年を記念して発行した特別号です。口絵に当時の学校の様子が写真で掲載されています。

●どのようにすれば、これらの資料が見られるか。

 ①このホームページのトップ画面で、右下の方の [リンク ] のところに「信州地域史料アーカイブ」というタイトルがありますから、そこをクリックすると「信州地域史料アーカイブ」のトップページが表示されます。

 ②そこに4つの画像が並んでいますが、一番左の[信州地域史料]の画像をクリックすると、[史料一覧]のページになります。少し下へスクロールして、[7. 教育、人物・伝記]の 【展開する】 をクリックします。

 ③あらわれた画面の中から、上に示した4つの資料を探してどれか選んで、画像の部分をクリックしてみてください。該当する資料のトップが画像で表示されます。あとは、次頁・前頁・拡大・標準等、お好きなように操作して下さい。

 ④画像ではなくて、翻刻文を見たい場合は、上の方にあるツールバーの[史料一覧]をクリックすると、先の一覧の画面に戻りますから、翻刻なり解説なりをクリックしてください。

 この4点の資料をすべて読むには、かなりの時間と根気が必要ですが、ご自身の興味に従って拾い読みするもよし、全編をじっくり読破するのも結構です。きっと、木曾山林学校の草創期の生徒や先生方の意気込みというか、熱気が伝わってくると思います。

 なお、ここに登載した4点以外の『校友會報』や『岐蘇林友』等については、全部で164号ありますが、本資料館においでいただければ見ることが可能です。原本は劣化が激しいので手にとってご覧いただくわけにはいきませんが、全編にわたってコピー本を用意してありますのでそれをお読みいただけます。また、この雑誌の総索引も作成していますので、それもご利用になれます。

以上。