木曾山林資料館

                   

[この題字は演習林管理棟の入口に掲げてある館銘板の文字から起こしたものである。木曽町開田高原在住の椙本清美氏の揮毫による。]

木曾山林資料館2014.5.24OPEN

TEL.0264-22-2007 

〒397-8567 長野県木曽郡木曽町新開4236 木曽青峰高校新開キャンパス内

資料館のブログ

展示物の紹介(その1)

新型コロナウィルスの騒ぎは一段落ということで、当館の日常も普段どおりに淡々と過ぎています。

きょうは、ホームページでご紹介していない展示物の中からピックアップしてご紹介したいと思います。ネタは無尽蔵とはいいませんが、いくらでもありますので、珍しいものを探して紹介していきます。収蔵物の紹介は我々スタッフの重要な仕事でもあります。
今回はその第1回目ということです。

 

測量器具の中から古いものを選んでみました。明治時代の「コンパス」と「測鎖」です。

コンパスは2点間を結ぶ測線の方位角(北から右回りに何度あるかという数値)を測定する器械です。何が古いかといいますと、写真ではよくわからないかと思いますが、目盛盤に360度の目盛りとともに、「子・丑・寅・・・」と十二支が30度きざみで刻まれていることです。伊能忠敬の記念館にあるコンパスと同じようなモノです。伊能忠敬はこれを杖の頭に取り付けて、器械を水平に保った状態で、相手地点を視準し、瞬時に目盛りを読み取ったのです。

もうひとつは、2点間の距離を測るための道具です。一般的には巻尺が使われますが、この写真のものは「測鎖」と呼ばれています。名前の通り鎖です。鉄でできています。1鎖の長さは6寸で、全長は5間です。1間ごとに爪がついていて、爪の突起の数で何間かがわかります。また、1間の中間(3尺)には小さい丸い輪がついています。
鉄製ですから重いのですが、水には強いので、この測鎖を谷沿いに流れの中を引っ張っていっても大丈夫です。

是非、来館の折には、手に取ってじっくり見ていただければと思います。

(きょうのブログは6月25日に発信したものですが、記述に間違いがありましたので、28日に修正しました)

今日から雑誌の最終整理を始めました

 いよいよツユも本格的になってきて、シトシトと雨が降っています。この天気では来館者はゼロです。

 今日から雑誌の最終的な整理に入りました。当館の雑誌は特に毎月契約して購入しているものは少なくて、ほとんどは営林局や長野県から寄贈していただいたものです。古いものでは戦前の帝室林野局時代の『御料林』のバックナンバーがそろっていますし、『山林』や『林業技術』などが一番利用されています。林業試験場の『研究報告』や営林局の『統計書』などはかなり収蔵していますが、すべての号数があるわけではなく、そろえて製本するにはちょっと躊躇されます。ですから、束ねて積んであったり、ヒモでくくったりしています。

 整理は、まず号数チェックをして、そのうえで登録台帳に一覧表を作成する作業をおこなっています。量が多いのでかなり大変です。登録番号は1冊ごとではなく、雑誌名あるいは書名ごとの一括登録をしています。この仕事は大勢でやると混乱がおきますので、一人にまかせて担当しています。3ヵ月くらいはかかりそうです。完成したらホームページに公開したいと思います。

 きょうは、書庫に並べてある雑誌類を写真で見てもらいます。ちょうど、林業試験場木曽分場の研究報告が写っていますが、木曽分場は戦後につくられた施設ですが、現在は消滅してしまったので、木曽では当館でのみ唯一見ることができるという貴重なものです。

当館の文書保管庫を紹介します。

今日、6月11日は木曽は雨が激しく降ったり、シトシトと降ったり、どうやらツユに入った感じです。

きょうの資料館の仕事は、先週に引き続いて文書類の整理と登録番号つけですが、当館の文書保管庫を紹介しましょう。
大きなスライド式の書棚の一番奥が文書を収納するスペースです。写真のように分厚いバインダーに書類を綴じこんだものが、約250冊あります。これを文書の内容から9分類に大分けして、さらに中分類で同じ仲間に入るバインダーをまとめます。中分類にはタイトルがつけられます。例えば「昭和前期/考査問題」とか「演習林関係文書」などと名前をつけるのです。
きょうの作業は、20年前の100周年記念のときに分類したものを見直して、あまりに多すぎる分類を整理しています。

 

ダンボール箱が写っている写真がありますが、これは第1次作業を終えた文書が分類番号ごとにヒモで縛った状態で入っています。これからそれをバインダーに綴じこんで棚に配置することになります。中身は相撲部が全国大会で活躍した時のプログラムとか新聞報道の記事とかいろいろです。皆さんがご存じの御嶽海が青峰高校に入学する少し前頃のものです。御嶽海は突如現れたのではなく、それ以前に多くの先輩たちが築いてきた実績の上に花開いたことがこの箱の中の資料を見るとわかるのです。

きょうは、ここまでです。油断しないでコロナウイルス感染防止に努めてください。

文書類の整理と登録

 朝、スタッフ3名で展示室のカギを開けるとともに、コロナ感染予防のために消毒剤を浸み込ませた雑巾で、玄関やトイレのドアノブ、階段の手すり、受付テーブル等をしっかりと拭きました。

 今日の仕事は書庫の奥に保存してあるバインダーで350冊ほどの文書類を整理し、登録作業をするための前段階の整理です。この文書は平成13年(2001)の木曽山林高校創立100周年のときに、明治時代からのすべての文書を集めて分類整理したものですが、その後20年近く経過して、その後の文書も含めて再整理をしようということで、今年度の大きな目標にしているのです。
 かつての文書目録と現物を照らし合わせて確認し、必要に応じてバインダーを入れ替えたり、資料的に意味をなさないものを除去したり、二人で相談しながら仕事を進めましたが、全体の十分の一も終わりませんでした。前途多難です。
 たまたま、昭和初期の不況時代の生徒の就職関係書類を見ると、「第一志望・御料林、第二志望・満州」というような記述も見られ、今と同じようにあの時代も苦労していたのだなと感じました。

 この仕事は当分、スタッフの間でリレーしながら根気よく進めていく予定です。

きょうは新聞の切り抜きを整理

きょうはコロナ休館明け2日目。初夏らしい爽やかな天気に恵まれましたが、風はかなり強めでした。もっとも資料館のところは風の通り道になっているので、いつも風でカツラの大木がゆれています。

きょうの仕事は溜まっている新聞の切り抜きです。当館では木曽地方の観光や林業、町村の動きなどについての新聞記事と、御嶽海の活躍を伝えるインタビューや木曽山林高校OBの活躍等の記事も集めています。
対象の新聞は、信濃毎日新聞・中日新聞・市民タイムスが中心ですが、スタッフが気づいて他の新聞に出たもので、面白そうなものは持ってきてくれます。

今日は、スタッフの最年長の K さん(84)が切り取りと貼付を担当しました。令和2年元旦の信濃毎日新聞に特集で掲載されていた御嶽海と後援会幹事長の安藤均さん(中学時代に相撲をおしえていただいた先生)との対談の大きな記事を、四苦八苦して折りたたんで開ける様にした形で貼り付けているところです。

今日は箱づくりです

新型コロナウィルス感染防止のため休館が続いていましたが、ようやく再開となり「資料館の日常」がもじ通り始まりました。
今日のテーマは箱づくりです。資料館で扱う文書類を保管するための箱で、中性紙を使った箱です。桐(きり)の箱が一番いいのですが、高価ですし、扱いが厄介になりますので、中性紙のボール紙を特別に注文して、そこに見本の箱をばらして設計図を描きました。これには木曽青峰高校インテリア科の高木先生がCADを使って見事な図面を描いてくれました。
それをカッターナイフで丁寧に切り出し、折り曲げる位置の線に沿って折り目を入れ、定規を当てながらピシッと折ります。あとは組み立てですが、大変な手間がかかります。
下の箱と上の箱、二つを作って底板の紙を入れれば完成です。
書類を入れて、乾燥剤と防虫剤をさりげなく入れれば、当分の間ほうっておいても文書はシャキッとしています。
地味ですが、これも資料館の大切な仕事の一つです。

 

 

 

今日の来館者

4月第2週、4月9日(木)。素晴らしい天気に恵まれて、木曽でもサクラがほころび始めました。

資料館は珍しく来館者でにぎわいました。木曽地方振興局の局長以下5名の方々がお見えになり、林業大学校の新しい校長先生もご挨拶かたがた見学され、さらに、南木曽町の地域おこし協力隊に入られた元気印の女性と、合わせて8名の方が1時半から3時までの間に集中したので、案内に追われました。

というわけで、今日の資料館の仕事は見学者の案内でした。年度初めらしい一日でした。(来週からしばらく、コロナ休館になりますので、ブログもお休みです)。

2020年度の開館です

4月2日、きょうから2020年度の一般公開が始まります。

今年のブログのテーマは「資料館の日常」です。資料館の展示そのものではなく、毎週3~4人の当番のスタッフがいろいろ仕事をこなしていく、そんな日常の姿をご紹介しようと思います。

きょうは初日なので、全員でミーティングのあと、館内の清掃です。清掃後には久しぶりですから、ガラスの展示ケースや貴重な写真を収納している引き出し等に、防虫剤や乾燥剤をセットしました。

いよいよ枯れ葉も落ちました

「季節のたより」と銘打ったこのブログもとうとう最終回を迎えました。
緑の葉からはじまって、花が咲き、実がなり、紅葉し、その葉も散って、とうとう裸の枝だけになってしまいました。来春まで冬眠はしませんが、じっと静かにエネルギーを使わないようにして冬をおくるのです。

この木曾山林資料館も、12月から来年の3月末まで冬期休館に入ります。ブログもお休みです。5月のブログのスタートから30回更新しましたが、その間ブログをご購読いただいた人数は延べ633人でした。ありがとうございました。

来春、4月にまたお目にかかります。

晩秋のダム湖

木曽では今シーズン最初の冬型の気圧配置の影響で氷点下の朝を迎えました。樋から落ちる水が凍りついているのが見られました。
木枯らしに落ち葉がヒューッと飛ばされる情景が、より一層寒さを感じさせます。

今日の一枚は、これまで何度かご紹介した資料館の下のダム湖の晩秋の景色です。
木々は何事もなく季節の移り変わりを受け入れて、来るべき春を待つのでしょう。